リフォーム時がチャンス!!
耐震改修は大事なことではありますが、表面的に変わるものではありません。むしろ筋違いや壁をつくることにより窓が少なくなったり、使い勝手が悪くなることがあります。
内部の骨組みを補強するため、仕上げを一旦壊し、また復旧しなければならずその費用が結構かかります。ですから、リフォームをする時がチャンスです。
耐震改修の流れは、まず「耐震診断」、次に「耐震補強計画・設計」、そして「耐震補強工事」です。
1.耐震診断-現状(の強さ)を知る。
耐震基準の違いのため、1981(昭和56)年5月31日以前に着工した住宅*1は、耐震性が低い可能性が高いです。また、1981(昭和56)年6月~2000(平成12)年5月に着工した住宅は、耐震壁のバランスよい配置や接合部金物の適切な使用に関して不備がある可能性があり、耐震が満足にされているとは一概にいえません。従って専門家による耐震診断を受けるとよいでしょう。基礎から上の上部構造が同じ強さでも、建っている地盤が弱いと地震の力が大きくなります。自分の家の地盤も知っておきましょう!
2.耐震補強計画・設計
耐震補強をするとき、何が何でも耐震診断の判定値1.0以上にこだわることはありません。もちろん1.0以上に越したことはありませんが、状況により0.7*2、またはそれに近い補強でもかまいません。つまりゼロ、百でなく、大地震の時グシャと壊れず人命を救うことで大いに意味がありますので、二次的要素の対策も併せて大切です。冷蔵庫など大きな家具の転倒防止、特に寝室のタンスや本棚などの転倒防止対策は大切です。また、ガラス(特に避難経路に当たるところ)に飛散防止フィルムを貼る対策も行うとよいでしょう。
3.耐震補強工事
工事費が気になると思います。判定値を1.0以上とするには、概算で250万円~300万円かかります。ある例で言うと、リフォーム時に行えば耐震工事費が正味200万円。そのうち補助金が60万円*3(名古屋市内)、差し引き140万円。
その他、所得税控除や固定資産税の減額も30万円ほどあり、実質110万円程度でできました。
もう一つの例では、やはりリフォーム時ですが、判定値0.5前後を0.7以上で耐震補強を行い、その費用は30万円程度でした。
*1 昭和56年5月31日以前に着工した住宅は、名古屋市を始め、多くの市町村で無料で耐震診断を受けることができます。
*2・3 名古屋市の補助金の例/判定値が1.0未満の場合に判定値を0.3以上加算、かつ1.0以上にした耐震改修工事に対しては耐震工事費の1/2かつ上限が90万円。判定値が0.7未満の場合、判定値0.7以上1.0未満にする改修工事で将来的に評点1.0以上をめざす工事に対して、1/2かつ上限が40万円。さらに1.0以上にする場合1/2かつ上限が50万円。尚、補助金、所得税控除等は金額、工事の完了期限に変動あり。各自治体でご確認下さい。
【参考】住宅金融支援機構の融資/リフォーム融資(耐震改修工事)を利用できます。住宅の耐震改修工事、または耐震補強工事を行うと適用になります。詳しくは、住宅金融支援機構にお尋ね下さい。