一級建築士 森 登
所在地:愛知県内 構造規模:木造(在来)2階建て35坪 竣工:平成16年初旬頃
当会の無料電話相談で、雨漏りに関する相談がありました。「購入後7年目、屋根と壁の取合い部、及びサイデイングのコーキングが切れて雨漏りが発生した為、売主側で修理した。以降、風雨が強いと外壁からの雨漏りがあり、床下に雨水が伝う。売主はその都度コーキング処理で対応しているが、イタチごっこで次から次へと別の場所に移っていき、一向に直らない。瑕疵保証の10年を向かえキチット直したい」という内容でした。ヒヤリングに基づき、現地調査にて土台付近のサイデイングを外し、水切りの納り具合を確認しました(下写真参照)。外壁通気工法ですが、水切りは胴縁面まで・・・。
切れたコーキングから浸入した雨水は透湿シートの表面を下り、水切りで外部に排出されずそのまま土台に伝わり、ベッショリ塗れ床下スラブに水が溜まったようです。しかし10年前はこの水切りで「良し」としていました。通気が充分に取れているので土台は乾燥するからです。何らかの構造的な劣化が土台に発生していれば瑕疵に該当します。雨漏りに関して瑕疵保証責任保険では、室内に雨漏りが発生した場合を対象としています。
建築主は当初この保険を頼りにされていましたが「自己資金で外壁をやり替え」を決断、当初の予定がハズレ「想定外の出費、室内に漏れてくれれば~」と、それはそれで大変なことになりますが・・・・。