長期優良住宅のポイントは、①構造的な強さ、②断熱性能の強化の2点が求められます。
構造的強さは、品格法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)でいう「1.25倍、1.5倍」の強さが求められます。筋違いの強さを建築基準法で決められた長さの2倍程度入れればよいので(構造計算で確認が必要)、基準法の強度レベルと比較しても工事費の増加は大きなものではなく、概ね10万円程度で済みます。
しかし、構造計算をする必要(筋違いの量だけを増やす方法もあるが)があり、そのための費用が20万円程度かかります。これは一般の木造住宅は構造計算ではなく、筋違い計算(構造計算を簡略化した方法)で行っているからです。木造以外は初めから構造計算費用が含まれていますので、追加費用は発生しません。
断熱性能については、次世代省エネ基準を超えなければならないため、一般的な断熱性能の約2倍の断熱性能が要求されます。費用的には20万円程度高くなるでしょうか?また、技術的審査を受け、その後地方自治体に認定してもらうという手続きが必要で、手間がかかります。時間的には3週間程度余分に必要になります。
設計事務所に依頼した場合は、手続きのための追加費用はほとんど発生しませんが、建売りやハウスメーカーの住宅の場合はオプション契約となり、数十万円の費用が発生することが多いようです。
確認申請の審査は長期優良住宅認定で審査されますので、その分手続きが簡単になります。その他に、税金(所得税)や登録免許税が安くなります。ローンを組んだ場合は、利息が安くなります。
結局、費用がかかった分は税金等で還元されることや、木造でも構造計算をすることになるなど、有利だと思います。これらの制度、補助金、減税制度は、年度によって変わるので、よく調べてから上手く活用しましょう。