欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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インターネットサイトの危険性

一級建築士 片山 繁行

「Hプロ」というリフォーム会社を探す有名なサイトがある。有名なリクルートの関連会社ということもあり、リフォームを考えている人が、このサイトに登録してある施工会社から複数選び、打ち合わせの上、施工会社を決めていくというサイトシステムである。設計者や施工会社をどう探していったらよいのかわからない人にとっては、便利なシステムだと利用されているようである。

そのサイトで、「K社」(Hプロの登録会社)を選んだ人からの相談である。どうやって決めたか聞くと、3社を選び、その3社のうち一番安い見積りの会社よりさらに10%安くするといわれ、工事契約したそうである。

現地調査を行ったところ、図面は、平面図しかなく、「耐震の検討」を頼んでいたにもかかわらず、筋違いは、1ヵ所も入ってなかった。以前シャッターがあった部分の外壁の基礎は、コンクリートブロック基礎となっており、内部の壁の下には、まったく基礎が作られてなかった。試しに耐震診断をしてみると、このまま施工をした場合は、「0.4」程度しか耐震強度がなかった。床の断熱材は、入っているところと入ってないところとがあり、玄関部分の建具以外の外部に面する床面は、通気用の基礎パッキンが施工されているので、雨になると、雨が入っていた。

いろいろ文句と要望を言うと、口を出すなと言い、それでもいうと、もう施工しないと工事中にもかかわらず、工事放棄してしまった。工事費は、半分支払い済みであった。

後で弁護士に聞いたところによると、「K社」はいろいろトラブっている会社であるとわかった。本来なら、「Hプロ」のほうで、そのような施工会社を排除しなければいけないのにしなかった結果、このようになってしまった。有名サイトのうたい文句だけでは、「欠陥住宅被害」が防げなかった事例です。