欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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H23.3.11 東日本大震災

今回の震災では、マグニチュード9.0、震度7、死者・行方不明者18000人以上、全壊・半壊建物39万戸以上という未曽有の大災害でした(平成25年11月26日緊急災害対策本部発表の数値)。

この震災で大きな被害の一つは津波によるもので、TV映像で次々と家などを津波が飲み込んでいく様子はとても衝撃的でした。また、次に大きな被害は液状化です。地表から吹きだす水と砂で建物下の土砂が流出し、大きく傾いた住宅などが数多く見受けられました。

仙台市荒浜

仙台市荒浜

一見、これらの災害に対し人間は全く無力に見えますが、大学等の研究機関の現地調査によると、耐震基準の古い物を除けば、地震の揺れ自体で建物が倒壊したりする被害はあまり多くなく、逆に今の耐震基準の建物は比較的軽微な損傷であったことが明らかになっています。さらに、液状化も予め地盤改良や杭打ち等の対策を施せば効果的であることも分かっています。

そこで、今回の震災被害を教訓に家づくりをするには、以下の点に配慮しましょう。まず一点目は、耐震性能に割増しを掛けることで損傷被害を減らすことです。これにより仮に地震にあっても、大きな補修を行わずとも家を再利用することが可能になります。また、損傷が少なければ津波までの間に素早く避難をすることや、非常用品の搬出等も容易になります。

次は、地盤です。土地選びには自治体等が発表している地震等のハザードマップ、過去の文献や古地図等を参考にしましょう。ただしやむをえず液状化しやすい敷地に建てる場合でも、地盤改良等で対処できることも多いので、信頼できる建築士と相談しながら家づくりを進めましましょう。