欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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有名建築家の罠②

実用性かデザインか

建築の世界でも、技術の進歩や材料の開発により、多種多様なデザインが可能になってきました。特に有名な建築家のデザインは奇抜なものが多く、見た目には感動させられます。

実は、どの建築士も良いデザインの建物を建てようと考えてはいますが、皆が奇抜なデザインの建物の設計を目指しているものではありません。奇抜なデザインにしようとすれば、構造などを無理しなくてはならない場合が多いからです。つまり、構造強度の高い建物を建てようとすれば多くの制約が働き、思うようなデザインができなくなるのです。日本の建物が昔から同じような形をしているのは、日本の気候風土、使用材料、地震・台風の頻発及び建築コストなどを考えて発達してきたからであり、ちゃんとした意味があるのです。ですから、奇抜なデザインをする場合には何等かのリスクを伴うことになります。そのリスクをどのように考えるかで、建築士の方向性に違いがでるのです。つまり、実用性を採るのか、デザインを採るのかということになり、その判断は、設計を依頼しようとする建築主にあるのです。

我が会への相談はハウスメーカーや工務店の設計施工によるものがほとんどですが、たまに建築士による建物の相談があり、そのような場合のほとんどがデザインを優先する建築家によるものです。決してデザインを優先する建築家の全てがだめだという訳ではありませんが、デザインの良い建物と強くて長持ちする建物とには相反する部分があるということを認識していただきたいと思います。