欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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バリアフリーの課題

バリアフリーの課題

高齢化社会に突入したと言われ、近い将来は超高齢化社会を迎えると予測される今日、住宅のより良いバリアフリー化が重要な課題となっています。一般に段差の解消、手すりの設置などと理解されていますが、本来は生活上のあらゆる障害になる要素の除去という意味に当たります。

住宅金融支援機構(フラット35)仕様には、上記以外にも高齢者用寝室のある階には便所を設置する。廊下の幅、出入口の幅、浴室の規模、階段の規格、滑りにくい床材を使用する等が決められています。

「せっかく付けた手すりが邪魔で不便な物になった」「大金をかけて設置したのに障害の進行ですぐに役に立たなくなった」「往復を必要とする廊下や階段が片側手すりで使い物にならない」などのクレームをよく見聞きします。

障害度が異なり、残存能力や機能回復の予測の見極め、障害の進行性の有無、家族の関わり方等が千差万別で見極めに正確さを必要とするにも関わらず、多くの場合は機器メーカー等の、簡単なマニュアル資料に従って、設計や施工が行われているのが実態です。

バリアフリー化を正しく行う為には、このことに詳しく経験のある建築士の関与が必要だけではなく、場合によっては、医療や福祉の専門家の知識も駆使して行う必要があります。

それには、各専門家が相談や指導を安定的、継続的に行えるような体制作りが必要と思いますが、現実には各専門家のサービス的善意に支えられて、部分的に行われているだけです。

超高齢化社会を前提とするなら、それにふさわしい制度上の体制づくりが必要です。

その為には、各専門家の関与・協力を促進するような補助金制度の改善も必要と思います。