欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

http://www.kekkann.e-arc.jp/

お問い合わせ

賃貸ビルリフォーム被害

一級建築士 片山 繁行

賃貸ビルでクリニックを開業するために、リフォームした。施主の要望は①クリニックであるので、患者のプライバシーを守るため、防音をしっかりすること、②床については可能な限り、バリアフリーにしたい、ということであったが、竣工後見てみると、隣室の音が丸聞こえ、バリアフリーにもなってなかったため、弁護士を通じての相談であった。

調査してみると、防音については、天井裏まで、間仕切りが施工されてない、天井裏に吸音材の施工がされてなく、間仕切り壁(パーテション)に、グラスウールが入っているだけの防音施工であった。

バリアフリーについては、給排水管の配管を考えると、床を上げる必要があるにもかかわらず、床スラブに直接床仕上げをしたから、配管が通るところだけ上にあげたため、上がった下がるというおかしな床面になってしまった。これは、床を上げると、天井高(現在2300ミリ)の関係で、天井も上げる(スペースはある)必要が出てくるので、床も壁もやり直すとコストがかかるということで、省いたような気がする。当然、まともな設計図、施工図はなかった。

また、施工者は、どうも設計を専業とする建築士・建築事務所のようで、建設業許可(500万円をこえると必要)があるかどうかも怪しい会社である。