欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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ハウスメーカーの落とし穴①

某ハウスメーカーの場合

欠陥を防ぐ「この一手!!」それは……

ハウスメーカーは本社で設計を行い、工場で大部分の生産をすることにより、車や家電のような完成度の高さを売りにしています。しかし、決定的な違いは、時計や車のように全て工場のラインという安定した条件では造れないということです。建築主の注文は間取りを始め、同じものはほとんどありません。建築場所の条件(敷地の広さ、法令、地盤等)も違います。そして、現地生産という要因が大きく絡み、現場担当者の技術不足とあいまって、欠陥を生む原因となります。

例えば、地盤。建築場所が違うので予め設計することができません。地盤の違いによるマニュアルを作成していますが、現場担当者が使いこなす技術力は低いようです。また、技術力の高い現場担当者を育てようとはしていません。現場の施工管理にしても多くの現場を持たされ下請け任せであることが多いようです。鋼管杭で支持地盤の深さが微妙に変化していると一本一本止める位置の確認が必要ですが、その日のうちに仕事を終わらせたい下請けは、目が行き届いていなければ適当な長さで止めてしまう場合もないとは言えません。気象条件(暑さ、寒さ、雨等)に左右されるコンクリート(打設、打設後の養生)にしてもほとんど下請け任せで目が行き届いていないことが多いようです。

このようなことは、新興のハウスメーカーに特に顕著に見られます。建築主より第三者の建築士による検査を依頼され、新興の某ハウスメーカーの現場担当者に「コンクリート配合報告書」の提出を求めましたが、なかなか提出されず、やっと提出されたのが、生コン車が現場へ持参する「納品書」でした。その他、依頼した書類も見当はずれなもので、一事が万事でした。


*今回の場合、賢明な依頼主は違約金を支払って解約した。欠陥を防ぐべく、一般のユーザーがそういったことを見極めるのは無理。しかるべく第三者の設計事務所に設計監理を依頼するのがベスト。ハウスメーカーや工務店で造る場合は、しかるべく第三者の設計事務所に工事監理を依頼するか、工事の検査を依頼することがベター。その場合、相手の対応がおかしければ、違約金を払ってでも解約する強い決意が必要。欠陥防止に王道はない。正道はある。それは「急がば回れ」である。