欠陥住宅をつくらない住宅設計者の会

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第三者監理を行った建築主からのお礼

一級建築士 森 登

所在地:愛知県内  構造規模:木造(軸組構法)2階建て

第三者監理を行った建築主から、お礼が届きました。
今後このような被害が起こらないようにするため、建築主の了解のもと、ホームページ上で、事の顛末を報告させていただきます。

【業務内容】

  1. 屋上防水のやり替え(屋上庭園になっており、樹木・土の入れ替えを伴った)
    木構造福祉施設の屋上防水(約150㎡)に、塗膜防水が施工されていた。最低限シート防水であるべきで、塗膜防水では木構造のウゴキに追従できない為「ひび割れる」ことは明らか。従って防水保証も付かない。更に排水勾配が「0」とならざるを得ない設計で、相談者(建築主)からの無料電話相談が発端となり、下記の諸問題も発覚した。
  2. 「屋上庭園の為、防水材が土に埋まっているから、飛び火認定は不問」との建築家独自の判断により、未認定の塗膜防水が施工されていた。建築確認申請の設計図書は未記入となっていた。シート防水(歩行用)+飛び火認定品+防水保証付き(メーカー承認の上)にやり替えさせ、無事「完了済証」の発行に至った。
  3. 施設使用に際し、「ケガの発生が懸念される納まり」になっていた為、出来る範囲で改善させた。
  4. 「雨漏り」及び「劣化速度が速まる」恐れがある部位について、出来る範囲で改善させた。

以上を主とし、やり替え工事の際には現場に立ち合い、工事完了を見届けた。
その結果、残金の支払いの上、無事竣工引き渡しとなった。
更に、施工業者と建築主との関係が決裂することなく、今後のメンテナンスまで施工会社の協力を仰ぐことが可能となった。
必要不可欠な設計条件をおざなりにしたまま必要充分な費用を掛けず、建築家の自己主張の表れとして「カタチづくり」に費用を掛ける、しかも建築主のお金で。
「他人のフンドシで相撲を取る」典型的な設計・監理パターンでした。
建築家が自分の責任であるにもかかわらず、現場監理をしない、設計の改善をしない、交渉の場に出てこない、という有様でした。

以下、建築主からのお礼です。

私達は、皆様のようなプロフェッショナルな方々に出会えて、本当に幸運だったと思っています。
相手方とやり取りする中で、気持ち的に何度も何度も落ち込みました。
しかし、その時々に皆様の的確なアドバイスや意見をいただき、前向きな気持ちに切り替えることが出来ました。
皆様の活動があってこそ、ここまで戦ってくることができたと感謝いたしております。
最終的な結末にも納得がいっています。(※自分の反省点を踏まえた上でも、相手を許すことは出来ませんが。)
本当に救われました。
長い間、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いします。