最近の建築工事費の高騰とナフサ不足が住宅建築に与える影響
令和8年7月1日
一級建築士 寺島 一朗
近年、住宅を建てるための工事費が大きく上昇しています。その主な理由は、建築資材の値上がりや人手不足による人件費の増加、さらに運送費や燃料費の上昇です。木材や鉄鋼、コンクリートなどの材料価格は世界的な物価上昇や円安の影響を受けて高騰しており、建築会社は以前よりも高い費用で資材を調達しなければならなくなっています。
また、建設業界では職人の高齢化や若手不足が続いているため、人件費も年々上昇しています。その結果、住宅新築やリフォームの費用も高くなり、消費者の負担が増えています。
さらに最近では、「ナフサ不足」も建築業界に影響を与える新たな課題となっています。ナフサは石油から作られる原料で、塩化ビニル管や断熱材、防水シート、接着剤、塗料など、多くの建築資材の製造に欠かせません。ナフサの供給が不足すると、これらの製品の生産量が減ったり価格が上昇したりするため、建築工事全体のコストがさらに高くなってきています。
また、資材が予定どおりに届かないことで工事が遅れ、完成時期が延期されるケースも増えています。住宅を建てる人にとっては、引っ越しの予定が変更になったり、仮住まいの期間が長くなったりするなど、生活への影響も考えられます。建築会社も代替となる材料を探したり、工事の順番を変更したりするなど、さまざまな対応に追われています。
このような状況では、住宅を建てる側も、工事費が変動する可能性や工期が延びる可能性をあらかじめ理解しておくことが大切です。また価格だけでなく工事内容や保証、完成までのスケジュールも比較して検討することが重要です。
今後もしばらくは建築費の高止まりが続くと考えられるため、設計者や工事施工者と十分に相談しながら、余裕を持った予算と工事計画で家づくりを進めることが求められます。









