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建築士のひと言

建築基準法と耐震基準

平成24年2月21日

一級建築士 片山 繁行

市民は、昭和56年以後の建築基準法(以下基準法と略)を守っている建物は、新耐震基準をクリア―しているので、大地震でも安全だと思っています。しかし、建築基準法は最低限の基準なので、ぎりぎりクリアーしているだけでは、地盤の種類や地震波にもよりますが、今言われている3連動地震では中・大破すると思われます。基準法の耐震基準の目的は、建物が壊れても、人命が助かればよいという考え方です。また、基準法は最近の耐震構造の考え方(許容応力度計算)にそぐわなくなってきています。

そのことを知っている国は、平成12年に新たな法律を作りました。「住宅の品質確保に関する法律」(以下品格法と略)です。当初は基準法を廃止し、品格法に統一したかったのではないかと思います。品格法では、構造等級1=建築基準法、等級2=基準法×1.25倍、等級3=基準法×1.5倍の強さと規定しています。しかし、基準法をクリア―すれば品格法の構造等級1という考え方は間違いであることがだんだんわかってきました。(基準法の方が品格法の耐震基準より低い)

結局、現在の構造基準には、4段階あること、基準法をクリアーした建物、品格法等級1、等級2、等級3の4段階です。

これから、新築する方は、品格法の耐震等級2、3で建物を建築することを勧めます。

 

耐震補強する方は、木造の耐震診断で1.0をクリアーしなくても、0.7を目指せば、人命が守られる可能性が高いと思います。