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建築士のひと言

怒りを忘れた国民?

令和5年5月20日

一級建築士 片山 繫行

3月2日の中日新聞に国民負担率47.5%の記事が出た。言葉の意味はなかなか難しそうだけど、江戸時代の五公五民に例えられていた。

1970年には24.3%、2013年に40.1%、2021年には48.1%と年々国民の負担が高くなっていることが分かる。GDPで見ると、高福祉政策で有名な北欧に迫るようだ。しかし、日本の福祉政策は、北欧に及ばない。

電気代の補助とか、ガソリン代の補助とかで、政府の小手先の目くらましで、国民はごまかされている。結局補助金は借金であるので、後年若者の負担が増すばかりである。

3.11東北の大地震で、原発は懲り懲りしたはずなのに、政府は60年を超えて原発を動かそうとしている。いまだに原発の被害による復興遠く、帰宅困難者・地域が残っているにもかかわらず、国民の意見は、賛成反対半々のようだと報道されている。使用済み核燃料の最終処分場もなく、原発は北朝鮮の恰好なミサイルの標的になるというのに懲りないのか、不思議な政策である。

防衛費の増額が、国会で議論らしいものもなく、何に使うのかわからないまま、中身もないのに決まったようである。世界の状況が緊張していることをいいことにあっという間である。

少子化対策も内容がない。子供が増えれば、予算も増えるというような、鶏が先か卵が先かという議論であった。

非正規で仕事をしている労働者の数が、2000万人を超え、一向に減らない。全労働者の中で、36.7%を占めている。そのうち約7割がパート・アルバイトだそうだ。当然所得格差はひどく、2019年税務調査によると正規労働者が、503万円、それに対し非正規労働者175万円とある。非正規労働が減らない限り、少子化の歯止めはかからない。

以上最近の事例を挙げてみたが、政府は、一向に説明しようとしないのに対し、マスコミをはじめ、国民の怒りの声が聞こえてこないのはなぜだろう。

福島原発事故